2022-03-01
売却した不動産と契約内容に相違があった場合、売主は「契約不適合責任」を求められる可能性があります。
しかし、契約不適合責任についての知識と契約に関するポイントや注意点を押さえていれば、不安に感じて不動産売却を躊躇することはありません。
この記事が茅ヶ崎市、藤沢市、平塚市、寒川町、鎌倉市、逗子市、葉山町、横須賀市で不動産売却をお考えの方のお役に立てれば幸いです。
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契約不適合責任は、2020年4月の民法改正で、瑕疵担保責任に代わって施行されたものです。
ここでは、契約不適合責任の基礎知識となる概要からご紹介します。
契約不適合責任とは、不動産売却で買主に引き渡された不動産の「種類」「数量」「品質」が、契約内容と適合しないときに、売主が負う責任のことです。
民法改正以前は、売主が負う責任を「瑕疵担保責任」と呼んでいました。
改正民法の施行後は、契約不適合責任へと変わり、内容的にも売主の責任は以前より重くなっているところがあります。
しかし、売却をする前に内容を把握しておけば安心につながり、トラブルも防ぎやすいでしょう。
契約不適合責任では、契約内容と異なる「数量」や「種類」の商品を渡したときなどに、責任を求められる場合があります。
不動産取引の場合には、主に「品質」の部分が対象になる可能性が考えられます。
経年劣化や欠陥などがみられ、契約で予定していた品質に満たないといった場合です。
具体的には、次のようなケースです。
さまざまなケースがあるとはいえ、このような場合でも不動産売却ができないということではありません。
契約不適合責任の論点は、あくまでも「契約内容」です。
たとえば売買契約書に不具合が記載されていない場合、不動産売却した後で買主から追完請求が出される場合があります。
追完請求とは、買主が補修などを求めることです。
しかし、不具合の内容が売買契約書にきちんと記載され、買主が適切な説明を受けて了承済みであれば、契約不適合責任に問われない場合が多いことも覚えておきましょう。
契約不適合責任では、買主は「追完請求」「代金減額請求」「催告解除」「無催告解除」「損害賠償請求」という5つの権利が認められています。
追完請求
不動産売却における追完請求では、契約書に書かれていなかった不具合などに対して、買主が「補修してください」と要求するのが一般的なケースです。
代金減額請求
代金減額請求とは、追完請求の内容が実行されないときに、次の段階として買主から売主へ売買価格の減額を求めることが可能となります。
催告解除
催告とは、相手に一定の行為を求めることです。
追完請求が実行されないとき、買主から催告を受けて契約解除するのが催告解除です。
一般的に契約を終えた後でキャンセルすると違約金が生じますが、催告解除をされた場合は取りやめではなく、契約がなかったものという扱いになります。
そのため、売主が売買代金を返還することになります。
無催告解除
無催告解除とは、催告をせずに契約を解除するというものです。
債務の一部や全部の履行が不能とされるときなどに、無催告解除される可能性があります。
損害賠償請求
契約不適合責任の場合、売主に故意や過失による原因があるとき、買主から損害賠償請求されることがあります。
また、ご紹介した買主の5つの権利は、買主側に帰責理由がない場合に認められるものです。
帰責理由とは契約不適合責任が生じる原因のことで、買主に帰責理由があると追完請求も認められません。
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契約不適合責任と瑕疵担保責任はどんな違いがあるのか、混同しないためにもチェックしておきましょう。
契約不適合責任が施行される前は、不動産売却をした売主の責任に対して、瑕疵担保責任が規定されていました。
瑕疵とは契約した目的物が性能や品質を欠いていることをさし、瑕疵担保責任では買主が発見不可能な隠れた瑕疵が対象となります。
責任が生じる要件が大きな違いで、瑕疵担保責任は隠れた瑕疵が要件となっているのに対し、契約不適合責任は契約内容と異なる場合に責任を負う可能性が出てきます。
要件以外にも契約不適合責任と瑕疵担保責任には、いくつか違いがあります。
法的性質
瑕疵担保責任は、法律で規定される「法的責任」であるのに対し、契約不適合責任では契約で規定される「契約責任」です。
買主の権利
旧民法に定められた瑕疵担保責任では、「契約解除」と「損害賠償請求」が請求できる権利でした。
契約不適合責任では「追完請求」「代金減額請求」「催告解除」「無催告解除」「損害賠償請求」の5つの権利になっていることも大きな違いです。
損害賠償責任について
瑕疵担保責任では、不動産売却をした売主は、故意や過失がない場合でも責任を負う無過失責任でした。
しかし、契約不適合責任ではこの点も違い、不動産売却した売主に故意や過失がなければ、損害賠償責任が追求されないという考え方の過失責任が適用されています。
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不動産売却時に気を付けたい契約不適合責任の注意点も、具体的に解説します。
契約不適合責任は「任意規定」であることも予備知識として覚えておきたいポイントです。
任意規定は、売買契約において売主と買主の両者が合意していれば、契約に任意の取り決めを盛り込むことができるというものです。
そのため契約書の注意点として、不動産売却後のトラブルを防ぐためにも、ケースに応じた特約や容認事項を記載するようにしましょう。
たとえば、中古住宅を不動産売却するときに、住宅設備は契約不適合の対象外とする、修復工事済みの場所については契約不適合責任を負わないとするなどです。
契約不適合責任では、通知期間と時効となる期間が決まっています。
買主が不適合であることを売主に伝える通知期間は「不適合を知って1年以内」です。
この間に、買主は通知さえすれば、請求の権利が消滅する時効まで、契約不適合責任の履行を求められることが注意点です。
時効は、買主が請求できる権利を行使できると知って「5年間」もしくは権利を行使できる時点から「10年間」、権利を行使しなければ時効となります。
売買契約では、通知期間についても定めておきましょう。
売買契約書に目的物の内容を記載することは、契約不適合責任のトラブルを防ぐためにも重要です。
さらに適切な記載をするためには、売却する不動産についての内容を把握しておくことも注意点となります。
そこで有効なのが、インスペクションです。
インスペクションは建物現況調査ともいわれ、外壁のひび割れや雨漏りなど、住宅の劣化や性能について専門家が調査してくれます。
インスペクションの結果は、契約書のほかにも付帯設備表などにも反映することで、よりトラブルのリスクを軽減しながら不動産売却が進められます。
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